パラドックス
インタビュー

専攻科 造形専攻
美術コース
伊藤 七海
ITO Nanami
A:私が身近に感じているコーヒーを初めとし、綿布や墨、揮発性油、漂白剤などを駆使した制作を行っています。液体と揮発性油の表面張力によって成る反発の動き、そこに加えた漂白剤による液体の微々たる揺らぎ、それらは全て生きているもののように見えます。そしてその生きているものは時間が経てば跡となり、私の制作意欲を掻き立てます。制作時、生きているものとそれに加えてそれ以上に美しい痕跡も私は眼前とする事が出来ます。
A:人に感銘を与える美しい花に例えます。アートはたくさんの人々に感銘を、感慨を覚えさせます。しかし、アートとはそれ単体ではそれらを与えることは出来ません。花も水や土、太陽がなければ伸び伸びと開花することはありません。アートは人の想いや意志、背景やアイディアによって成立させられます。例え、それらが具現化されていなくても 目に見えない潜在的なものでもきっとそれは華やかに咲き誇るでしょう。