JOSHIBISIONは1900年に「芸術による女性の自立」、「女性の社会的地位の向上」、「専門の技術家・美術教師の養成」を建学の精神として設立された女子美の現在を広く知って貰う機会として企図された展覧会です。
会場は2つの展示室にそれぞれ付属高等学校の卒業制作展と、大学院・大学・短期大学部から選抜された作品展によって構成され、今を生きる鮮烈さと柔らかさを持って展開されています。
本展に展示された作品たちは生徒、学生らのこれまでの、そしてこれからも続く創作の中での、ほんの点として、連綿と続く歴史のほんの一瞬の中にあるにすぎません。
しかし日常の中で日々、生み出されていく無数のクリエイションは絶えず過ぎていく時間の中で、悩み、思い、考え、作り、また悩むということを繰り返し、その一瞬でしか捉えられないような何かを掴もうとする行為を重ねていくことで、ボヤけてはっきりとした像を結ばない漠然としたアタシを繋ぎ止めるアンカーのように私たちの目の前に表れてきます。
そして、女子美という通過点を通して、この世界をどうにか形作っていこうと明日に漕ぎ出す運動体のアタシとしてこれからも続いていきます。
この展示会場で様々なテーマ、手法で表現された多岐にわたる作品たち、ひとつひとつの中に女子美の今を感じ、そして生まれ育っていくクリエイションの明日を予感していただければ嬉しく思います。
JOSHIBISION2023
ディレクター 首藤 圭介
卒業制作は、
それまでの学生生活と未来の自分自身を思い、
真剣に自分と見つめ合い、その分辛かったけれど、
いい時間だったなと思います。
少しだけ、自分の輪郭のようなものに触れることができたような、
そんな経験になりました。
積み重ねてきた友達や先生との日常、
楽しかったこと、褒められたこと、
失敗してしまったこと、くだらないこと。
どれもが尊くて美しい学生生活のひとときですが、
作品とは違って、形には残りません。
思い出も、時間も、形には残せないものだけれど、
ポスターの中だけでも、
素敵な姿として形に残せたらと願い、
葉っぱについた朝露の雫の写真から雫の部分を採取して、
ネックレスを作りました。
アクセサリーは、誰をも輝かせてくれる美しい存在。
また、わたし自身が大学の卒業制作で宝石のポスターを作ったこともあり、
あの頃の自分と繋がれるモチーフでもありました。
葉っぱについた朝露は、すぐになくなってしまうけれど、
ポスターの中で、いつまでもキラキラと輝きつづけてくれるでしょう。
JOSHIBISION2023
メインビジュアル担当 柴谷 麻以
柴谷 麻以
SHIBATANI Mai
アートディレクター/デザイナー
新聞、ポスターやCMなどの広告作業から、ロゴ、パッケージなどのブランディング作業、さらにはジャケット、MV、テレビ番組に至るまで、幅広い領域のアートディレクションを得意とする。
ADC賞、Cannes Lions、Spikes Asia、Adfest、グッドデザイン賞、朝日広告賞等受賞。
2006年
女子美術大学付属高等学校 卒業
2010年
女子美術大学 芸術学部 デザイン学科VCDコース 卒業
(現デザイン・工芸学科ビジュアルデザイン専攻)
WORKS
3cm market推進委員会「3cm market」
NHK「ねほりんぱほりん」
櫻坂46「Start Over!」「何歳の頃に戻りたいのか?」アートワーク
TOYOTA「COROLLA MUSIC HUNT」
WACK企業広告
宝島社企業広告
集英社「スラムダンク奨学金」
交通系ICカード全国相互利用シンボルマーク
等