見ている猫、見られている私

インタビュー

黄 冠琦

デザイン・工芸学科

工芸専攻

黄 冠琦

HUANG Guanqi
A:私の人生観に、少し影響している考え方があります。それが、サルトルの「他人は地獄である」という言葉です。哲学の本を読んだわけではなくて、『出口なし』の舞台劇の映像を見たのがきっかけでした。そのとき、ずっと見られている感じとか、逃げ場がない感じがあって、少し苦しいなと思いました。人の視線や評価で、自分が自分じゃなくなる感じは、自分の経験とも重なる部分があって、この言葉がずっと頭に残っています。それから、人と人の関係とか、見る・見られる状況について、前より考えるようになりました。今やっている制作にも、自然と影響していると思います。
A:私にとってアート・デザインは、生活の中で積み重なっていく経験をもとにして、何か面白いものを作ることだと思っています。いろいろな手作業を学ぶこと自体も、私はけっこう楽しんでいます。ときどき、将来おばあさんになったときのことを考えることがあって、そのときに、いろんな手仕事ができたら、毎日の生活の中にやることがたくさんあって、楽しくて、充実した状態でいられるんじゃないかなと思っています。